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涙のツボ

先日映画を見に行ったが、あんまり面白くなかったので、ボーッと館内を眺めていた。コメディーだったから当然時折館内にこだまする幸せそうな笑い声。だけど、たまに変な瞬間がある。客の大多数がどっと沸くタイミングとは別に、おそらく一人が発しているだろう笑い声。一人だけずれて笑っている。
ふと、学生時代の事を思い出した。学生生協で田口ランディって作家の「転生」という本を買った。
帰りの電車の中、あんまり

感動したんで、ぼろぼろ泣けてきた。なんたええ本や・・・。タイミングよく翌週は当時好きだった娘の誕生日。見た目はギャルっぽいのに、本とか映画とか好きなので(しかも田口ランディ好きって言ってた!)下心丸出しでプレゼントした。だが、残念ながらその後彼女とその本について語った記憶は無い。ちなみにもうちょい後にフラれました・・・。
「美」はどこにあるか。
永らく疑問だった。感動する対象はどこにあるの?例えば目の前にバスキアの難解な抽象画を見せられても、感動する人と、しない人がいる。しかしそれは¥50,000,000と言う客観的な数字を付けられる。お金と言う強制力のある概念が付加される。その対象があたかも絶対性をおびるようになるのだ。そこに「美」が存在する、と。
だけど、感動とか美なんて人によって違う。その人の感性や経験や好みや信念やスキーマによって美の真実は人の数ほどあるのだ。
とまあ自分であれこれ考えていてもしょうがないので、専門家に聞いてみようと芸術論専攻の教授のとこ
に行ってみた。
「どっちにも、じゃない?」
あ、なるほど。どっちもか・・・。てことは「美」は関係性の中にあるという事?
もうちょっと教えて欲しかったけど、忙しそうだったので帰された。
まあ、と言う訳で今も分からずじまいだ。とは言え「こんなんも理解出来ないの?」って言う訳分かんない芸大生みたいな台詞はつつしみたいもんです。

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